経営コンサルタント

経営コンサルタントとは、企業が抱える悩みを共有し、専門的な視点から解決手段を提案する職業です。具体的な課題・改善点をデータやインタビューから調査し、どうすれば解決できるか、企業の経営陣にプレゼンテーションする機会が多く、激務な一方、給与水準が高いことでも知られています。

経営コンサルタントの仕事は、クライアントが抱える課題を洗い出すことから始まります。そのための情報収集の一環として、経営者や従業員へのインタビューを行います。不確かな情報はその後の診断に差し障るため、情報をさまざまな角度から検証して、真偽や意味を考える必要があり、クライアントから提供されたデータを含め、情報を整理できたら、課題を解決するための具体的な解決方法を考えます。仮に「従業員のモチベーションをアップさせる」という課題があったとして、人事評価の方法を変えるのか、新たな研修を実施するのか、解決方法は様々です。調査結果を振り返り、いくつも仮説を立てて検証を繰り返し、効果的な方法を考える必要があり、クライアントに提案した後は、課題を解決するためのプロジェクトを立ち上げ、実行に移していきます。
経営コンサルタントが関わる分野は、経営戦略、人事、財務など幅広く、また、企業によっては医療コンサルティングなど、一つの業界に特化したコンサルティングを強みとしている場合もあります。

日本では、中小企業が企業全体のほとんどを占めると言われていて、これらの企業の多くは現在、なんらかの課題を抱えて打開策を模索しているため、経営コンサルタントが活躍する機会は大いにあると考えられます。
企業の競争が激化している今日、経営コンサルタントによる大胆で的確なアドバイスや提案が求められています。


コンサルティング業界全体の傾向で言うと、市場規模は順調に拡大しつつあり、ニーズも存在感も出てきているようです。特に、企業が海外展開する際に手助けをする、事業に最新のICTを導入するサポートを行うなど、グローバル化やICTの進歩に伴った支援が増えています。今後も社会の変化を受けて、企業の改革を力強くけん引していくでしょう。まだまだコンサルタントを活用していない企業が多くあるため、今後の成長が見込まれる分野でもあります。

経営コンサルタントになるために必要な資格は特にありませんが、関連の深い国家資格として中小企業診断士が挙げられます。
資格取得をめざすには、まず中小企業診断士試験の1次試験(科目合格制)に合格する必要があります。だれでも受験できますが、経済に関するかなり専門的な知識が問われるため、大学で経済や経営を学ぶのが第1歩でしょう。
1次試験合格後のルートは大きく二つに分かれます。一つは2次試験を受験する方法で、2次試験合格後、一定期間の実務・実務補習を経ると中小企業診断士として登録が可能となります。もう一つは中小企業大学校などの養成機関に入る方法で、所定の課程を修了すると中小企業診断士への登録資格を得ることができます。

経営コンサルタントは、企業のさまざまな課題に対して問題点を洗い出し、分析や検証して解決策を考えます。そして課題解決のためのプロジェクトを計画し、実行や成功させるまでの一連の流れを業務範囲としています。
経営コンサルタントには、情報収集能力やコミュニケーション能力などの高度なスキルと専門知識が必要とされます。実務などを通して専門性の高いスキルを身に付けクライアントの要求に柔軟に対応できるようになれば、希望する分野の経営コンサルタントとして活躍できるでしょう。