不動産投資

不動産投資とは、簡単に言えばアパートやマンションの「大家になること」です。

上手に運用すれば、将来的に大きな利益や不労所得を得られる可能性があるため、老後にゆとりある生活を送るための資産形成の手段のひとつとしても注目を集めている投資方法です。

一方で「専門的な知識が必要で初心者には難しそう」という先入観や、「不動産を購入する」ということにハードルの高さを感じたり、「不動産投資はやめとけ」というインターネットの検索結果やブログの情報から不安を抱えている方も多いです。

今回は、不動産投資の基本的な知識について、メリットやリスクなども踏まえながら、わかりやすく解説していきます。


不動産投資は「ワンルームマンション投資」と「一棟買い投資」の2つに大きく分けられます。

ワンルームマンション投資は、区分マンションの1室を購入して、貸し出します。
マンション1室のみを購入すればよいため、購入代金や維持費などが少なくて済みます。
しかし、1室分の収益しか得られないので、大きな利益を得ることは難しいでしょう。

一棟買い投資は、アパートやマンションなどの集合住宅や戸建て住宅を丸ごと一棟購入して、貸し出しするため、初期費用はかなり高くなりますが、その分多くの家賃を得ることができます。

不動産投資のメリット
①生命保険代わりになる
例えば、不動産投資を行っていた夫が亡くなったとしても、投資物件は消滅するわけではありません。
入居者がいない空室状態でない限りは、家賃収入を生み続けます。
そのため遺族が相続し家賃収入を得続けることができ、空室率が高いなどのデメリットが気になる場合は、売却して金銭に変えても大丈夫です。

このように、不動産投資は、投資物件が遺族にとって経済的な助けになる可能性が高く、いざというときの生命保険代わりとなることもあります。

②税制優遇がある
不動産投資が節税につながる理由は「減価償却」と呼ばれる仕組みにあります。
減価償却とは、「資産価値が大きく何年も使える物(不動産・自動車・機械など)」の購入費用を、購入した年ではなく何年かに分けて費用を計上していくという考え方のことです。
減価償却」は、確定申告時に実際に出費がないのに費用計上できるため、課税所得を圧縮できます。

レバレッジ効果が高い
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、「小さい資金で高額な資産(投資用不動産)を取得すること」です。

不動産投資のレバレッジ効果の高さは、ほかの投資商品と比べても高い部類に入ります。
不動産投資ローンを利用すれば、場合によりますが自己資金の10倍程度の資産を取得できるのです。

たとえば自己資金が500万円あるとすると、不動産投資ローンを利用しない場合は500万円までの投資用不動産しか購入できません。
しかし、3000万円の不動産投資ローンを組むことができれば、3500万円までの投資用不動産の購入が可能になります。

また、常時満室になるよう運用できれば、毎月家賃収入が入ってきます。
値動きの激しい株やFXなどと比べると、不動産は安定的な投資商品と言えるでしょう。

不動産投資のリスク
①家賃滞納リスク
家賃の回収や督促は、管理会社に委託するケースが多いです。
家賃滞納に関しては、長期化すればするほど回収率が下がる傾向にあるため、早めに対応できると〇
そのため、家賃滞納が発生した場合に管理会社がどのような対応をしてくれるのか、前もって確認しておくことが大切です。

②価格変動リスク
最初は運用益を目的に不動産投資していたとしても、投資をリタイアしたり、他に良い投資物件が見つかったりして、不動産を売却するときが来る可能性もあります。
「物件のメンテナンスを計画的に行う」「立地や将来的な都市計画を見極める」などして、少しでも価格変動リスクを軽減できるよう気を配ることが大切です。

金利変動リスク
もし銀行から借り入れをした場合、返済するときには元本だけでなく利息を上乗せして支払わなければなりませんが、返済している間に金利が上がる可能性もあります。
金利が変わらない前提で資金計画を立てていると、金利が上がったときに支払う余裕がなく、滞納してしまうリスクもあるのです。
現金で一括購入しない場合はこのようなリスクを想定し、頭金を増やしたり金利の上昇を見込んだりして、経済的な余裕を持った資金計画を心掛けましょう。


不動産投資に慎重な意見が上がる理由のほとんどは、「漠然とした不安」と「長期運用」です。数十年後のリターンは具体化しにくいため、実際に不安を感じる方もいるでしょう。しかし、専門家のアドバイスを受けながら、ご自身でも先々まで可視化することは、決して難しいことではありません。適切に運用すれば、リスクを抑えながら資産形成につなげることができるでしょう。